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執筆者の写真村上晴彦

新宿 紀伊國屋ホール 再び



 来たばかりのような気がするけど、また紀伊國屋ホールです。あまり同じ劇場に続けていかないようにはしてるけど、ここ好きなんで何回来てもいいと思う。つかこうへい生誕70年記念特別公演『新・幕末純情伝』です。主役の沖田総司を演じるのは、元AKB北原里英さんです。実際、お芝居の方はどうなんでしょと思いましたし、チケットお高めなんですが、まあ勢いでチケット取っちゃいました。

物販やら観客でロビーが賑わっている。空いてる劇場も結構見たから、こういうのは素朴にいい。中に入ると緞帳前に刀が一本。菊一文字(だそうです)。いい感じです。

 幕が上がってみると、芝居が早い。近年まれにみる早さ。役者さんは初手から結構全開で言ってて汗びっしょり。このへんがつか作品らしいと言えばらしいのだが、でもちょっと声が割れて何言ってんだかわからない。そこはもうちょっと早いマシンガントークでもクリアにいっていただきたいと思ってしまいました。北原さんもまあ、立ち回りは稽古積んだのだろうなと思うし、顔が決まるのが良い。けど、やっぱり率直に上手くはないので、全体としてはこれで良いのか、とは思いましたが。舞台は、段差と障子の枠風の装飾とシンプルな構造ながら、これ紀伊國屋?と思うくらいLEDライトやムービングまでたくさん使って(お値段高いのもこのへんと関係があるのかな)、マイクも使って、ここまでショウアップしてやる必要があるのかないのか、そこは微妙ですけど、お客さん入って、客席も盛り上がって、劇場に活気があるのは良いことだと思った。

 結果としては、やはりつかこうへいという作家の特異性や偉大さが際立つという、それはそれで面白い体験をしたと思いました。

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