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執筆者の写真村上晴彦

江古田 兎亭



建物前にかかっている看板です。

 手描きっぽい青いうさぎの看板が可愛い兎亭は、江古田にあるちっちゃなスペースで、うちから割と近いのです。昨年も一度行きましたが、今年になって縁があって行ってきました。

 結構不思議な気分です。かきあげ団さんの、演目もどれが正解なのか、コピーのパンフレットとか見たけどよくわからないのですが(ごめんなさい)舞台を観に行ってきました。

 元々スペースも小さいし、決してたくさん入っているわけでないと言えばないのですが、わざわざ手書きのお手紙に、これまた手書きのステッカーがお土産につく。「TikTok割引」というのがあって、開演前に撮影に協力すると料金が安くなる、というシステムもある。客側がお金払って出演者と一緒に撮ってもらうというのはよくあるけど、これは逆でないかと思ってみたり。そもそもね、お金とかそういうのどうでもいいと思ってるんじゃないかと思えるようなちょっと不思議な世界でした。そんな感じで、皆さん気さくでほんわかした空間でした。

 内情を吐露というか、「私たちこういう感じでやってます」的な短いお芝居と、まあ荒唐無稽ですけど、「月のご当地アイドル」を夢見る少女の物語と二本観た。正直はじめは大丈夫かなと思ったけど、後で振り返ると、これは意外にちゃんとしていたように思える。なんか、ちょいと投げやりにやっているように見えて、でも実はこの人たち本気でストレートやったら凄いのかもなー、という、ちょっと底の見えない舞台を観た気がします。

 普通は、舞台賞めるといいんだろうけど、この集団に関しては、何をどう言ったら喜ぶのだろうか?それが掴めない謎めいたものを感じました。力一杯の芝居を観ることに疲れたらたまにこういうのもアリだと思う。

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