思い起こしてみると、中野方面に通った頃からすでに数年、ポケットスクエアを訪れるのも久々です。今回は、テアトルBONBONに、STRAYDOG Produce『アオイの花』を観に行ってきました。演劇部の指導してた頃の教え子が立つ舞台を、これまた教え子と共に客席で観るという、個人的にも時間の経過を感じる観劇で、だからお値段¥5000と、まあそこはちょっとお高めなんですけど、芳本美代子さん主演ということもありまして、あんま気にせず楽しみに出かけました。個人的にはそれでだいぶ満足してます。
重い話だし、有名人も出ているということで、もっと堅いのを想像して行ったんだすけどね、そこは小劇場を意識したのか、実話であるが故に虚構性を演出しようとしたのか、ちょっと意表を突かれた幕開きでしたわ。で、実際笑ってるお客さんもいたので、それはそれで良いことだと思う。まだ公演続くので、あんま中味には触れませんけどね、ずっと出だしの調子で行くのかしら、と思ってみてたら、次第に(たぶん原作にある?)トピックを追うある意味スタンダードな形式になっていった。実話ベースで、悲惨な事件を取り上げるというのは難しいと思うけど、そこは暗くなりすぎないように歌やダンスなんかも交えて、「白いバスケット・シューズ」じゃないけど、主演の芳本さんの歌もキャラクターもあり、さわやかにまとめていた印象です。
もっと多角的に掘り下げようと思えばそれだけ重く時間も長くなる、実話だからという難しさもあるんだろうと思う。そこはなかなか完全には理解できないと思うし、安易にわかった気になってはいけないところなんだろう。だからそこは、隣で観ていたこれまた元教え子の「モデルとなった実在の方がこの舞台を見て、よいと思えばそれでいいんじゃないか」というコメントが妙に的を射ているような気がしました。
あとはねえ、また感染が急拡大している。半ばでの公演中止などという事態にならず、無事に千秋楽を迎えられますように、とほんとに思う。
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