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執筆者の写真村上晴彦

コロナ禍でやる舞台 その4

更新日:2020年9月10日


 うちの感染症対策は、劇場や公演主体が定めてそれを観客が守る、というより、一緒になって考えて実行したいなという考えのもと、観客とは呼ばずに、「感染対策サポーター」あるいは「客席協力者」などと呼ぶことにした。もちろん、具体的な提案がサポーターの側から何かあったかというと、そこまで浸透しなかったかも、という部分もあるのですけど。観劇において、観客が守るべきルールは結構多い、と常々感じてはいて、それは創造上やむを得ない部分もあれば、そこまで言わなくてもいいのになー、と思うこともあったりするので。

 基本的な対策は、公益社団法人全国公立文化施設協会による「劇場再開ガイドライン」にもとづき、むらかみがこの数ヶ月職場でも消毒作業などを経て得た経験やら、最新のコロナウィルスに関する研究成果なども参考にしながら決めてみた。

 連絡先の登録、マスクの着用、入場時の検温、手指の消毒、舞台と客席の間に距離をとる、客席の席数を減らす、などといった当たり前となっていることが大体といえば大体である。あとは、入場時の消毒に靴底を加えたり、感染者が出た場合の検証のため、舞台側から見た客席現況写真の撮影なども行っている。使う機会なかったけど。で、サポーターさんには、退席時の自席の消毒をお願いすることにした。面倒だと思う方もいるかも知れないけど、多少なりとも一緒に感染対策を担っている、という形は作りたいと思ったのです。

 結果としては、客席数200という劇場を確保していたことは、今回ラッキーだったと思う。舞台端から客席最前列までは十分な距離があるし、客席も間隔を開けることができた。元々、ホールからの要請として、入場者は定員の半数以下、マスク着用とのことでしたので、演技者もマスク、ないしは透明マウスシールドやフェイスシールドを着用して行った。うちの芝居は、元々がほとんどの登場人物がマスクをしている設定なので、普通にマスク着用で上演している。

 換気も大切だということが言われていたので、プログラムとプログラムの間には、必ず全扉を開けて換気を行うこととした。30分以内の芝居(最終的に6本)という構成も、換気の時間をとり、サポーターが長時間劇場にとどまることを避けるためでもありました。

本来なら複数演目上演の場合、数を見てもらったほうがありがたいのですけど、今回そこは我慢して、できる限り単一演目の観覧にとどめてもらうようにした。中には二本三本と見た方もいらっしゃるのですけど。

 チラシには、開演時刻はもちろんのこと、終演時刻も明記した。開演はきちんと書いてあっても、上演時間や終演時刻が事前の情報として明記されない公演は今でもけっこうある。「何時に終わるかわからない」状態は見る側のストレスになる可能性もあると思うので、自分も人の舞台観にいくとそうだし。こういうご時世なんで上演時間はきちんと事前情報として知らされるべきなんじゃないかと個人的には思っている。

 対策を実行するにあたっては、関区民ホールのスタッフさんたちにも多大なご協力をいただいた。それについては本当に感謝しています。

 その5につづく。

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