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執筆者の写真村上晴彦

綾瀬 ENGISYAアトリエ


 綾瀬です。この綾瀬とは、はるかでもなく千代田線の駅がある足立区の駅のことです。知ってはいたけどあまり馴染みなくて、ニュースでたまに聞く「綾瀬バス停」というのもこの辺りかと思ってたくらいの不勉強ぶり。神奈川県に綾瀬市というのがあるのですね。

 それはさておき、足立区の方の綾瀬まで、観劇です。案内を頂いたものの、遠いからどうしようかなと思ったんですけど、たまたま一年で一番ひまな時期と重なったものですから。折角ですし、この機会に一度行ってみようと。

 写真に写ってる白い建物の上にアトリエはある。非常階段的外階段のぼると、二階に入口があって、そこはロビーぽくなってる。で、さらに階段上って三階が劇場になってた。ちょうど三角屋根部分を中にいても体感できるスペースだ。平日の昼間だからそんな混んでないかな、とちょっと思ったんですけどね、最終日ということもあり、大きくはないけどお客さん満席に近く入っていた。

 今回見たのは、ENGISHA THEATER COMPANYさんの『春の終わりに』です。ENGISYAさんというと、割とエネルギッシュというか感情を前面に出す芝居のイメージを勝手に持っておったのですが、今回おとなしいしゆっくりの引いた芝居だ、と意外な印象を持った。これは、登場人物たちがほぼ高齢者の設定だからか、ホームでやるときはこうなのか、そのへんはわからないですけど。で、その高齢女性たちが住まうところを主な舞台として、彼女たちの終活というか生き様を描いています。

 少なくとも自分よりはだいぶ若いだろうという役者さんたちが、時には若い頃も演じつつ、高齢女性も演じる、孫くらいの若い設定の役どころもあるので、色々違いを現出するのは結構大変だろうなぁ、と思った。しかもアトリエという至近距離で。役者さんたちは懸命にやっているんですけどね、自分も年配の部類に入り、日常的に高齢者と接している身としては難しさも感じました。自制と年齢、時間とスペース、設定の特殊性とリアリティとかいろいろ考えてみるに、これは、結構にテクニカルな作品で、ハマればすごく良いんだろうけど、そこに至るにはなかなか大変だろうなと思いました。舞台だからこれはこれでいいと思うけど、自分ももうちょっと先に「死」というものを時折感じますし、どうしても長生きしたいとは思わないのですが、そういう人間に限って逆に長寿だったりするのが世の中です。けっこう倫理的な問題もはらんでおり、そのへんは評価分かれるのかもしれないとは思うのです。最後は、生きている当人が自ら判断するのが良いのかなと思った。

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