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執筆者の写真村上晴彦

新型コロナと舞台


 7月に入って、東京がオレンジ通り越して赤い。感染者増が止まらない。残念なことに、新宿の劇場でクラスターも発生して、「劇場クラスター」などという言葉も飛び交うようになった。この公演が報道されているように、ガイドラインを遵守していなかったという特殊性により、感染の拡がりを招いてしまったのかそこのところは何とも言えないけど、感染者を出すのは決して望んだ事態ではなかろうから、そのこと自体についてどうこう言うつもりはない。ただ、後に続く舞台のために、そこで得た教訓が何かしらあるのであれば、出来るだけ公にして欲しいと願うものである。

 うちも8月に公演を予定している。そういう意味では他人事ではないので、もっかい感染予防ということについて考えてみる。例の劇場クラスターが発生するまでは、そういう例が報告されなかったこともあり、劇場での観劇というのは舞台と客席間の間隔、客席同士の間隔を保っていれば、お客さん基本的には静かに座っているし、マスクしてればそんなに危険はないのではないかと思っていた。難しいのは演技中の役者同士の飛沫や接触だろうと。それも最後の手段としてはマウスシールドなりマスク着用でかなりリスクを軽減できるのではなかろうかとも。

 最近のWHOの報告では、接触感染、飛沫感染の他に、空気感染の可能性を否定できない、という見解が出されており、だとすると換気の重要性が増すことになる。劇場はどうしても上演中密閉空間になりやすい。舞台の全体の尺も考えてみる必要があるのかも知れないと思う。上演開始時刻のみの表記でなくて、終演予定時刻はチケット受付の段階で明らかになっていることも個人的には重要なんじゃないかと思う。これは主催者としては受け入れがたい部分もあるのかもしれないけど、密が長い、これは不安だと思った時に、途中退場する自由が観客に保証されているということも今の時代には必要かもしれない、と思う。

 今回の「ぷち✕2夏まつり」は、元々いろんな方に舞台で発表する場を与えたいと思っていたのですが、そこらへんも考えての企画である。全体の尺は結果として長くなるけど、一本30分程度の短編を数本そろえる。間には必ず扉を開けて換気の時間をとる予定。演目間で退場するのは当然自由とするつもりだ。客席が最大で200とむらかみにしては珍しく大きな劇場を今回確保していたことも結果オーライで、客席と舞台の距離も、客席の間隔も、入場者の人数を絞ることで確保できると今思っている。今回の会場は練馬区と、都心から少し離れていることも、逆に良かったのではないかと思っている。いつもなら、「遠いなあ、もっと新宿とか池袋とかそういう便利なとこでやるなら観に行くのに」となるところなんですけどねー。

 マスクの着用、入場前の検温や消毒は当たり前になっている。退場時にも、自席の消毒に協力していただくつもりでいる。場合によっては無観客、もっと悪くて公演中止や延期といったシナリオも今ちらつかないと言ったら嘘になる。とにかく、考えられること全部やりながら、お客さんとも一緒になって舞台を、公演を守っていく、という企画を今めざしている。


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