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執筆者の写真村上晴彦

コロナ禍でやる舞台 その6


 私見ですが、日本人のメンタリティとして、「マスクする」とか「家にいる」といったいくつかのシンプルな事柄をみんな一律で守りましょう、というようなことは得意だ。ただしそれには守らない人間に対しての過剰とも言える同調圧力がかかる危険がある。逆に、各人が状況を判断して行動しましょう、というのにはあまり向いてないのかな、と思う。知識重視で横並びという日本の教育も弱点も改善が叫ばれて久しい。

 7月8月は、また封鎖に近いことをしたら生活が成り立たないし補償もできません、というような思惑が交錯して、いろんなことが個人任せになった感じはした。そのかわり、混乱もした。正常性バイアスかかってます、と言われればそれまでだが、そんな政治的な思惑から、施設の閉鎖はたぶんないだろう、と見ていたし、感染も8月末にかけて少しは落ち着くだろうな、と勝手に予測していた。で、ほぼ読み通りにはあったのですけどね。

 大事なのは、自分の中での優先順位を明確にすることかしら、と思う。うちにとっての第一は舞台で上演を行うことで、そのためには無観客になってもしょがないと思ったし、マスク着けるのがホールの要求ならそうすればいい、とも思った。採算ははなから度外視している。だから、参考にならないこともあるだろうが、今回無事に終えることができたうちの経験がこれから上演を行う方々の多少なりともためになったらいいなと思う。

 ただし、うちも、これが成功したからといって、次また同じことをやれば大丈夫、という保証ははい、ということは肝に銘じておく必要があるんだと思う。やっぱり、大きな声を出す、飛沫が飛ぶ、会場が密閉空間などといった演劇の特性を考えた時に、どこまでもコロナとなじまない面があるんだろう。いつか、また余計な心配せずに勢いで芝居の出来る時代が訪れてほしい、と願っている。その時までは我慢しながら、できること続けていきたい。

 次回、その7くらいでたぶん最終回。反省点などについて書く。

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