いつもは中学生の芝居なんぞで訪れる板橋文化会館です。今回は、板橋演劇センターさんの『終わりよければすべてよし』観に行ってきました。板橋演劇センターさんの舞台は、だいぶ前に一度観たことはありましたが、今回二回目です。シェイクスピアの中でも、あまりかからない演目であること、この作品を長年の芝居仲間が一度やりたいと言っていたこと、出演者である古谷一郎氏が出演していること、そして、演出者協会の関係で招待扱いになること、など諸々の条件が重なりまして、今回行ってみることにしたんです。
コロナ対策ということで、席数を減らして客席扉も開放しての公演、芝居は昔の記憶からしても今回みても、正統派の基本に忠実なつくり。ただし、細かいミスがあったのは残念かなあ。演出家も書いておりますが、全体に役者さんの年齢が高いかな、というのは感じました。若い役者が暴れて、それを年配者がカバーしてまとめる、というスタイルがたぶん本来なのかもしれない。その点でいうなら、冒険が少ないかも、という気はしました。これは、総じて役者の年齢層が高めなことや、コロナ対策というのも加味されているのかもしれません。ほとんど椅子に座って動かずに芝居されていたのですけど、ロシリオン伯爵の未亡人には結構な存在感があった。彼女が常に全体を見通し、そして見守っているような舞台だったように思いました。
そういうことを狙っていたのかどうなのか、超高齢社会と言われる日本、若者がどんどん少なくなって、晩婚化が進むわ青年が独り立ちして家を旅立つのも見送る親年代もみんな今よりだいぶ年を重ねてから、みたいな未来像みたいなのを個人的には感じてみていました。まあそこには飛躍があるのかもしれませんけど。自分と同年代とかもっと上の方々が長い芝居やってる姿を見て、今後も頑張ってほしいなと思いました。
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